IE9ピン留め

インド戦の収穫

昨日はインド戦でのネガティブな点について挙げましたので、今回はそれをポジティブに捉えて「収穫」という視点で話そうと思います。

■「攻撃的プレーヤーを並べても勝てない」

水本の退場によって、後半から啓太が後ろに下がり、長谷部が入りました。
形の上では長谷部・中村ケンゴのダブルボランチでしたが、それぞれに独自のスタイルを持つ選手だし長谷部も攻撃を期待されて投入されているので、いまいちまとまりが作れなかったと思います。

これはつねづねオシム監督が語り、試合後の会見でも述べている「攻撃的プレーヤーを並べても勝てない」ということを体言してしまったかたちです。ツボにはまれば強いけど(後半開始直後はそうだった)、いったん崩れ出すと立て直すのに時間がかかる。
これはオシム監督が意図してやったことなのか、ミスを犯しただけなのかはわかりません。でも少なくとも、今後は鈴木啓太(及び、彼のようなプレーヤー)を中盤から外すことはしないでしょう。長谷部+啓太、中村ケンゴ+啓太、あと従来通り遠藤+啓太という組み合わせになるんじゃないでしょうか。

後半の日本代表を見てて思ったのは一昨年のチャンピオンズリーグ決勝戦、ミラン対リヴァプールのリヴァでした。前半まったく形にならなかったのを、後半ハマンを入れて立て直した。中盤でしっかりボールを奪いキープすることで、優勢に試合が進められるようになったわけです。日本はこの逆パターンだったと言うことが出来るのはないでしょうか。

■「ポリバレント」と「スペシャリスト」の融合

もっと言えば、中村ケンゴも長谷部も「自分のかたち」を大切にするわけで、臨機応変がそこまで出来るプレーヤーではないということだと。
これは、中村俊輔が入ってきても同じことが起こるだろうと。

オシム監督が言っているように「すべてのプレーヤーがポリバレントである必要はない」ので、全ての選手が臨機応変に行動する必要はない。
特に、チームレベルを引き上げる「何か」に特化している選手は、その能力が求められるわけで、必ずしも他のプレーヤーと同じ動きをする必要はないわけです。
その代わり、そうした「スペシャリスト」を集めても強くはならんよ、ということ。

例えば前半の日本は良かった(伝聞ですが)。これは中村ケンゴと鈴木啓太が有機的に連結していたからに他ならないでしょう(これも伝聞)。
ワールドカップを思い出してください。ジダンというスペシャリストには、必ずマケレレが付き添っていた。ピルロにはガットゥーゾが付き添っていた。リケルメの背後にはソリン等の運動量豊富なプレーヤーが揃っていた。
つまり、1人が平均的に1.5人分の働きをする必要はなく、2人で3人分の働きが出来ればいい。

本来ならフィールドプレーヤー10人が総合的に20人分の働きを出来ればいいわけですが、それは「トータルフットボール」という理想境であって、ある程度分割されたユニットで働きをこなすことが現実的です。

という点でいくと、鈴木啓太の持つポリバレントな能力(阿部も今野ももちろん資格あり)が、今後働きが期待されるスペシャリストたちの活躍をサポートできる「目処」が立った。
これは、海外組を組み入れたり、もっと攻撃的なプレーヤーを入れる上で好材料と言えましょう。

■「ゴール工場」

待望していた「日本のゲルト・ミュラー」がやっとゴールを決めてくれた。もちろんバンドのことですが。
彼が「オプション」として日本代表に入ったことは大きな意味を持ちます。
もちろんバンド個人にとってもそうだし、バンドのようなプレーヤーはこれまで点を取っても評価されてこなかったので。


ということで、なんとなく「日本代表の未来像」の輪郭が見えてきました。
絶対的なプレーメーカーやストッパーはいない今の日本代表ですが、彼らが組み入れられた時に数段レベルアップできる「素地」は出来つつあります。
あとの課題はディテールです。

 by bkmax | 2006-10-12 17:47 | 日本代表

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